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健康維持
健康なからだは元気な肝臓から
からだの中で最も大きな臓器、肝臓は、人間が活動するためのエネルギーを生み出す、とても大きな役割を担っています。その大切さは「肝心要(かんじんかなめ)」という言葉が示すとおり。健康な毎日を過ごすために、肝臓の元気をしっかりサポートしましょう。
肝臓は働き者

肝臓は、からだに必要な物質を合成し、また不必要な物質を分解する『からだの化学工場』として多くの働きを担っています。
■ 栄養分の代謝・貯蔵
食物から摂取した炭水化物・タンパク質・脂肪などの栄養分を、利用できる形に変えたり貯蔵したりして各臓器の新陳代謝を図ります。
■ 有害物質の無毒化・代謝
体内で生成したり体外から摂取される食物や薬物に含まれたりする有害物質を、肝臓の酵素によって無毒化して便中や尿中に排出します。
■ 胆汁の生成・分泌
肝臓では、1日約1リットルの胆汁が生成され、胆のうに貯蔵されます。食事をすると胆のうから脂質の吸収を高めるために、胆汁が分泌されます。
気づいたときにはもう遅い、おそろしい肝疾患
『沈黙の臓器』と呼ばれる肝臓は、痛みを訴えることが少ない臓器です。それだけに自覚症状があらわれにくく、気づいたときには思いのほか病気が進行している場合が多くあります。以下に、代表的な肝疾患を挙げてみます。

■ おもな肝疾患
◎肝炎
原因として、ウイルス、アルコール、薬物などがあります。慢性化すると命に関わる病に進行します。
◎肝硬変
原因にもよりますが、慢性肝炎の約20%が肝硬変になると言われています。肝硬変になると、肝機能が著しく低下し、からだに必要なエネルギーを供給できなくなります。
◎肝臓ガン
肝臓にできる悪性腫瘍で、最初から肝臓の組織に発生する原発性肝ガンは、最近、50歳代以降の男性での発症が増加しています。
◎脂肪肝
肝臓における脂肪の沈着が30%をこえた状態を言います。アルコール、過栄養などによって起こり、生活習慣病のシグナルとして注意が必要です。
肝臓をいつも元気に保つには?
まずは生活習慣を見直すことからはじめましょう。
しかし、なにぶん症状があらわれにくいので、定期的な検診を心がけることが重要です。
● 良質なタンパク質やビタミン、ミネラルを含んだバランスのよい食事を心がける
[肝臓に良い食品]
豆類、小麦胚芽、アボガド、魚介類(カキ、アサリ、ニシン)、
緑黄色野菜など
● インスタント食品や加工食品は控える
● 三食きっちり、規則的な食習慣を身につける
● 禁酒
● 適度な運動を心がける
● ストレスをためこまないようにする
<参考>
・財団法人 社会保険健康事業財団ホームページ 「からだの科学工場 "肝臓/胆のう"」
・かんぽのホームページ 「健康アラカルト 料理と健康」
・肝炎情報センターHP